2010年最もクラウドで驚いたこと5項目:第五話

2010年、「クラウド」が市民権を得た年だったように思います。
NETWORKWORLDに「5 Most Surprising Things about the Cloud in 2010」という記事が出ていますので、それを参考に振り返ってみたいと思います。今回がこのシリーズの最終話です。

5. 仮想デスクトップの時代、ではなかった

2010年は仮想デスクトップの時代だと思われていた。マイクロソフト、Citrix、VMwareなど全て、エンドユーザ企業が導入する波が起こるととこぞってアナリストが予想していたからだ。
仮想デスクトップは確かに2010年中ホットなトピックではあったが、市場の成長率はアナリストやベンダーが期待したほど大きくなかった
仮想デスクトップを標準化し、全てのユーザが即座にWIndows7に簡単に移行できるようにする代わりに、ほとんどの企業は、出現した様々な技術の1つは採用したものの、最も意味があるであろうと思われた部分に留まった。
IDCアナリストのIan Songによれば、その場しのぎ的なプロジェクトは多く見られたが、戦略的なプロジェクトはほとんどなかった。
DAASバージョンさえ適用が進まなかったと言うことではないが、ともかく2010には大きな潮流とはならなかった。
複雑さと、仮想サーバと比較して、仮想デスクトップの投資回収率が低さが大きな理由だ。
その他に、企業内におけるタブレット、スマートフォンやその他のPC以外にデバイスに注目が集まっており、企業アプリケーション用のセキュアかつ信頼性の高いクライアントとして使用するにはこれらも仮想化する必要がある。
最初の1年が過ぎ、Citrix、VMwareや多数の携帯電話会社から様々なサービス・製品がリリースされ、おそらく大きな波になるであろう。

仮想デスクトップというのは、PCのデスクトップが必要である、つまり「デスクトップ」ありきと考えられます。
しかし、ブラウザさえあれば、様々なクラウドアプリケーションを利用できる、ということになっていくと、デスクトップそのものが必要なくなっていく可能性もあるような気がします。
まずは中小企業としては、まずはSaaSの採用を先に進めていくべきでしょう。

2010年最もクラウドで驚いたこと5項目:第四話

2010年、「クラウド」が市民権を得た年だったように思います。
NETWORKWORLDに「5 Most Surprising Things about the Cloud in 2010」という記事が出ていますので、それを参考に振り返ってみたいと思います。

4. ちょっとしたことが大きな差を生む

仮想化は、それぞれが自身のサーバを所有していると思わせながら、様々なアプリケーションやオペレーティングシステムの同じハードウェア上での動作を可能にする。IDCのアナリストであるGary Chenによれば、このことによる問題は、ネットワークインタフェースやプロセッサへの入出力バスも自分専用のものがあると思い込んでしまうことだ。
ゲストOSが多数動作するサーバ上では、パフォーマンスのボトルネックはもはやサーバと外部ストレージ間のデータが行き来するためのスピードではなく、同時にデータバスを通過できるビット数なのだとのこと。
これが仮想I/Oがホットなトピックになってきている理由の1つであり、ForresterのアナリストであるJohn Rymerが「分散仮想化」と呼んでいるものにつながる。I/Oやメモリ、その他のコンポーネントはゲストOSとともにお互いに抽象化され、サーバの定義はアプリケーションがすぐに必要とする何らかのリソースを意味するように変わる。

仮想サーバでは、プロセッサ間通信やネットワーク通信が問題なるのは当然です。しかし、こんなことに悩まなくても済むよう、中小企業の方々はパブリッククラウドを選択した方がいいかと思いますが。

2010年最もクラウドで驚いたこと5項目:第三話

2010年、「クラウド」が市民権を得た年だったように思います。
NETWORKWORLDに「5 Most Surprising Things about the Cloud in 2010」という記事が出ていますので、それを参考に振り返ってみたいと思います。

3. クラウドはITを実務から解放してくれるわけじゃない

クラウドコンピューティングは、ITサービスをハードウェアやソフトウェアから引きはがし、エンドユーザはアプリケーションが動作しているサーバを誰が所有し誰が維持しているかが分からなくすると思われている。
エンタープライズ戦略グループのアナリストであるBob Laliberteによれば、これはサーバを運用している人間がどんなビジネスを行っているのかを知らなくてもいいということにはならない。
クラウドをサポートするということは、サーバ、ストレージ、ネットワーク、アプリケーションが高速かつ安定的に動作させるということであり、かつてより一層安定し、遅延を少なくしなきゃならなくなっている、インフラとデータセンターサービスを提供するEquinixのクラウドアンドITサービスのジェネラルマネージャであるVince DiMemmoは述べている。
完璧なインフラでなければ、クラウドコンピューティングは処理速度が遅く、エンドユーザはその遅さを受け入れない。

プライベートクラウドやハイブリッドクラウドでは、IT部門の人間がインフラの面倒を見なきゃいけないのは変わらないわけで、クラウドにすればインフラのお守りから解放されるというのは間違いです。パブリッククラウドであれば、インフラを所有しない形になるため、IT部門の人々はよりクリエイティブな役割を演じることを期待されるようになります。とりわけ中小企業の方々にとっては、パブリッククラウドを選択すべきです。

2010年最もクラウドで驚いたこと5項目:第二話

2010年、「クラウド」が市民権を得た年だったように思います。
NETWORKWORLDに「5 Most Surprising Things about the Cloud in 2010」という記事が出ていますので、それを参考に振り返ってみたいと思います。

2. クラウドは何で出来ている?クラウドだよ

2010年、包括的なクラウドコンピューティングのビジョンを打ち出すVMwareの影響を最小限にするため、多くのクラウドコンピューティング会社はクラウドコンピューティングにおける仮想化の役割を軽視した。そのビジョンとは、企業はクラウドベースのリソース共有と管理をおこなうためにファイアウォール内に仮想サーバのインフラを構築し、社外へと拡張していくというものだ。
一方純粋なクラウドプロバイダは、アプリケーション、ストレージ、計算パワーやその他キャパシティの増加等を、企業内の仮想サーバインフラを必要とせず、インターネット接続だけで提供してきた。
いずれも、コンピュータ特有の定義を満たしているばかりではなく、ほぼすべて、データセンター、ホストされたインフラ、仮想サーバ群、あるいは他の企業により提供されるクラウドサービス上に構築されているゆえ、定義上は仮想化されていることになる。

恐らく、このことが世の人々が混乱に陥っている理由の1つではないでしょうか?全く異なる考え方とアプローチであるにも関わらず、どれもこれもクラウドの定義の中に収まってしまっているのです。中小企業にとって、パブリッククラウドが唯一意味ある選択肢であることは繰り返し述べてきています。しかし、2011年中には、大企業も含めて、真のソリューションになりえるのはどれか、ということが少しずつ判明し、本来あるべきクラウドは何かがはっきりしているのではないかと思っています。

2010年最もクラウドで驚いたこと5項目:第一話

2010年、「クラウド」が市民権を得た年だったように思います。
NETWORKWORLDに「5 Most Surprising Things about the Cloud in 2010」という記事が出ていますので、それを参考に振り返ってみたいと思います。

2010年は、「クラウドコンピューティング」が単に「クラウド」と呼ばれ、皆が「クラウド」、「SaaS」、その他のXaaS(PaaS, IaaS, DaaS)は全て同じアイデアで実装が違うだけ、つまり、オンラインで利用できるコンピューティングサービスのセットであり、必要に応じて契約、拡張できるものということに気づいた年であった。
むろん全ての混乱が解消したわけではない。しかし、Amazon、Microsoft、Oracle、Citrix、VMware、その他の企業が提供する具体的なサービスを見えば、IT関連の人々の多くは、クラウドがどういうものかの具体的なアイデアを理解することができた。
経験を積んだITマネージャが以前は良く分からなかったもので、2010年中にクリアになったものはなんだろう。以下が私が思うそのリストだ。

1. パブリッククラウドとプライベートクラウドに大した違いはない

2010年当初、最もよくある疑問は、クラウドはファイアウォールの中か、外のどちらに構築すべきかということであった。
同じ企業データとアプリケーションを扱うわけであり、ファイアウォールの中のサーバにあるか、クラウドの中にあるか、需要のピーク時にファイアウォールの外のクラウドにあるか、いずれにしても、同じリスクに直面していることになる。
ガートナーの仮想化の専門家であるクリス・ウォルフによれば、非常に多くの企業が完全に社内か、完全に社外かよりも、ハイブリッド・クラウドを構築中であり、その他の選択肢よりも普通になりつつある。
社内クラウドでリソース共有と効率化の観点からある程度の利点を得ることができるが、クラウドの本当の利点である弾力性(Elasticity)を得ることができない、以前ウォルフはCIO.COMに語った。

セキュリティの観点からパブリッククラウドとプライベートクラウドに大差はない、というポイントは賛成できます。ただハイブリッドクラウドを推奨しているかの意見には賛成しかねます。ハイブリッドクラウドは理想的なように見えて、構築は非常に困難であり、人的リソースが十分ではない中小企業の選択肢にはなりえません。現状では、将来の展開を考慮に入れた上で、パブリッククラウドの適用を検討すべきです。