2010年当初の予測を振り返る:最終話

2011年の1ヶ月目も半ばを過ぎたところで、去年はどうだった、今年はどうなる、といった話はそろそろ終わりにしようかと思います。その最後を飾るのは、やはりお気に入りのAppirio
2010 Cloud Predictions – Year in Review“と題した記事で2010年当初の予測を振り返っていますので、それをレビューしてみましょう。

予測No.10: 本当に革新的なクラウドコンピューティングのビジネスが起こる

クラウドプロバイダは劇的にビジネスしやすくなり(例:アマゾン・スポット・マーケット)、クラウドをもっと「消費」しやすくする新ビジネスが出現する(例:クラウド保険プロバイダ、クラウドセキュリティ監査、クラウドブローカー)。

評決

はずれ。少なくとも今のところ。クラウドコンピューティングの技術革新は次々と現れている。その間、生まれつつあるクラウドサービスブローカーを例外として、その他のクラウド関連ビジネスは取締役の会議の議題にのぼるというよりは、ホワイトボード上にのみ存在すると言った方が良い状態だ。
ただ、明らかなのは、クラウドコンピューティングはもはやIT分野において、発展途上のコンポーネントとしてみなすことはできず、よって近いうちに新ビジネスモデルが現れるであろう。

ブローカー以外のビジネスモデルが出現してくることを切に期待しています。

2010年当初の予測を振り返る:第九話

2011年の1ヶ月目も半ばを過ぎたところで、去年はどうだった、今年はどうなる、といった話はそろそろ終わりにしようかと思います。その最後を飾るのは、やはりお気に入りのAppirio
2010 Cloud Predictions – Year in Review“と題した記事で2010年当初の予測を振り返っていますので、それをレビューしてみましょう。

予測No.9: グローバルなシステムインテグレータはクラウドマーケティングを行っていく

アクセンチュアが行うであろう最も先進的なことは、あのタイガーウッズの広告キャンペーンを代えることだ。

評決

当たり。何千人ものSAPコンサルタントを抱えるアクセンチュアでは、Salesforceに関しては有資格者は65人のみ。確かにクラウドマーケティングに力を入れているものの、まだ本当に先進的なものは多くない。例外は非常に聡明な子供たちがクラウドコンピューティングを説明しているCloud Computing Here and Now–Our Youngest Experts Explain the Cloud だ。アクセンチュアのコンサルタントは日に日に若く見えるようになっている。

このビデオは一見の価値ありです。
日本国内の大手SI会社では、(クライアントがある程度出来てしまうという仕組み上)クラウドではその大きな屋台骨を支えるだけのビジネス規模にならない一方、クラウドに取り組まざるを得ないというジレンマに陥っているのではないでしょうか。

2010年当初の予測を振り返る:第八話

2011年の1ヶ月目も半ばを過ぎたところで、去年はどうだった、今年はどうなる、といった話はそろそろ終わりにしようかと思います。その最後を飾るのは、やはりお気に入りのAppirio
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予測No.8: クラウドコンピューティングの整理統合

200社以上のプロバイダが存在するが、クラウド・エコシステムは整理統合の機に来ている。Salesforce.comやGoogleは、個別に買収を続けていくであろうが、この2社に限らない。クラウド・コンピューティング革新の第一の波を逃し、その他に買収すべき社内システム向け技術に欠けている状態で、Oracleはラリーエリソンが「水の気体」だとして放置していた業界に積極的に参入していくと予測する。おそらく最終的にNetSuiteを取り込むであろう。

評決

当たり(NetSuiteに関する点を除く)。すでにBoomi、Cast Iron、Herokuなどのクラウド・プレーヤーが買収されている。その他にストレージ分野は非常に注目される。HPがストレージ・プレーヤーの3Parを買収し、DellがComplellantを買収した。Oracleは、Sunを買収後、全てのハードウェアを活用し、「箱に入ったクラウド」を発表した。

Oracleもマイクロソフトと同様、何かを企業に販売するビジネスモデルを展開してきたわけで、GoogleやAmazon、その他のクラウド・プロバイダにビジネスを取られてしまうわけにはいかないのです。なので、Oracleの動きは当然の結果とも言えます。

2010年当初の予測を振り返る:第七話

2011年の1ヶ月目も半ばを過ぎたところで、去年はどうだった、今年はどうなる、といった話はそろそろ終わりにしようかと思います。その最後を飾るのは、やはりお気に入りのAppirio
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予測No.7 マイクロソフトAzureはグローバルアカウントで共食いを引き起こす

プロフェッショナル・デベロッパ・カンファレンスでマイクロソフトがAzure(マイクロソフトのクラウドサービス)をプッシュした後、我々はAzureがグローバルアカウント(全世界的に展開する企業)における、マイクロソフトの社内システムにおける存在感を下げてしまうことになると予測した。

評決

まあまあ。むろん、2010年はマイクロソフトがクラウドコンピューティングおいて全方位展開した年であったが、我々の知る限り、マイクロソフトがまだAzureで共食いする事態に至っていない。とはいっても、BPOSとして知られている野獣をどの程度強力にプッシュしていくのかは興味深い。実質的に無料で提供しており、過去数ヶ月Google Appsに対してマイクロソフトのグローバルアカウントを守るため、大規模なFUD(Fear, Uncertainty and Doubt:大衆が信じていることに反するような情報を広めることで、大衆の認識に影響を与えようとする戦略的試み)キャンペーンを展開している。

マイクロソフトにおいて、OSはビジネスの非常に大きな部分を占めており、一方クラウドビジネスは1%程度の大きさしかありません。Azureの採用が進めば、OSビジネスは縮小していく一方、必ずしもAzureのビジネスがそれに見合った成長を遂げるとは限らないため、Azureをプッシュすることはマイクロソフト全体のビジネスを縮小しかねないということです。

2010年当初の予測を振り返る:第六話

2011年の1ヶ月目も半ばを過ぎたところで、去年はどうだった、今年はどうなる、といった話はそろそろ終わりにしようかと思います。その最後を飾るのは、やはりお気に入りのAppirio
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予測No.6 エンタープライズ・コラボレーションは機能であってビジネスではない

SalesforceのChatterやGoogle Waveはビジネスアプリケーションと透過的に統合されたリアルタイム・コラボレーションという価値があるが、単独のエンタープライズ・コラボレーションは競合上困難になるであろうと予測。

評決

当たり。Google Waveを例にとれば、元々の形としては消えてしまったが、コラボレーション技術の先進的な部分のいくつかはGoogle Appsに取り込まれている。SalesforceのChatterプラットフォームの進化と、Chatter Freeの発表により、エンタープライズ・コラボレーションにおいて、単独ビジネスの構築がいかに困難であるかが明らかになっている。

コラボレーション・ツールというのは、便利ではあるのですが、じゃあどれくらいビジネスに貢献できるのか、その投資効果はどの程度か、と聞かれるとなかなか明確に答えられないものであるため、単独のビジネスは難しいのでしょう。

2010年当初の予測を振り返る:第五話

2011年の1ヶ月目も半ばを過ぎたところで、去年はどうだった、今年はどうなる、といった話はそろそろ終わりにしようかと思います。その最後を飾るのは、やはりお気に入りのAppirio
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予測No.5: エンタープライズアプリがグーグル化する

クラウドプラットフォームに対する投資により、Google AppsはExchange/SharePointの単なる代替ではなく、エンタープライズアプリケーションの理にかなったフロントエンドになる(グーグル・ウェブ・ツールキット、セキュア・データ・コネクタ、ガジェット・フレームワークなど)。

評決

当たり。グーグルは大規模な投資を行い、企業ユーザへのアピールを強めている。多数の先進的な新しいアプリケーション機能(プライオリティ・インボックスなど)に加えて、プラットフォームとしてGoogle Apps上に構築したエコシステムの力に結びつくアプリのマーケットプレースをリリースした。グーグルの新しい拡張は、Google Appsを単なるコラボレーションソリューション以上のものにする。Google Apps経由のエンタープライズアプリケーションにより、Appirioではどのようなことが可能になっているかのデモを確認しべし。

2010年当初の予測を振り返る:第四話

2011年の1ヶ月目も半ばを過ぎたところで、去年はどうだった、今年はどうなる、といった話はそろそろ終わりにしようかと思います。その最後を飾るのは、やはりお気に入りのAppirio
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予測No.4: クラウドインテグレーションが企業のシンボルになる

2010年には大手企業顧客がBoomiやCast Iron(いずれもクラウドインテグレーションのソリューションを提供する企業)を導入し、社内インテグレーション技術がクラウドベースの代替品に置き換わると予測。

評決

まあまあ。
これら2企業の大きなニュースがあると予測したが、ニュースは顧客関連ではなく、買収の話であった。BoomiとCast Ironは現在それぞれDellとIBMの一部門になっている。
また、これらのソリューションはりっぱなIT企業の一部として、クラウドを中核とした置き換えではなく、既存社内システムの補完的コンポーネントになってしまうと想像する。
一方クラウド間の「ブローカー」はガートナーによれば、現在はクラウドコンピューティングにおける「最も大きな売上が期待できる分野」と呼ばれており、主たるメディアも2011年には確実にビッグトレンドになるとしている。

確かにクラウド間をどう結合wするかは重要な技術になってきています。

2010年当初の予測を振り返る:第三話

2011年の1ヶ月目も半ばを過ぎたところで、去年はどうだった、今年はどうなる、といった話はそろそろ終わりにしようかと思います。その最後を飾るのは、やはりお気に入りのAppirio
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予測No.3: クラウドプロバイダはロックイン問題の解決を図る

プラットフォームのロックイン(囲い込み)は、PaaS上にエンタープライズアプリケーションを構築することを躊躇させている最も大きな問題の1つであるため、クラウドプロバイダは、革命的(例えばForce.comで他の言語をサポートするなど)あるいはは、革新的(例えば、アプリケーションの移植フレームワークやプラットフォームのポーティングツール)な方法でこの問題を克服すると予測する。

評決

当たり。すでに知られている通り、Force.comはJava、Rubyのサポートに投資し、ロックイン問題にはPaaSプロバイダが大きな関心を寄せている。

2010年当初の予測を振り返る:第二話

2011年の1ヶ月目も半ばを過ぎたところで、去年はどうだった、今年はどうなる、といった話はそろそろ終わりにしようかと思います。その最後を飾るのは、やはりお気に入りのAppirio
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予測No.2: クラウドの標準は出来ない(出来るべきではない)

クラウドのイノベーションのペースは非常に速く、本当の意味でのオープンクラウドの標準は、最下位のインフラを除き、出来上がらない。旧来のベンダーはあらゆるレイヤーで混乱を引き起こそうとし、オープンクラウドのマニフェストのように、標準の優位性を訴えるだろう。以上が、我々の予測であった。

評決

当たり。市場でのクラウド標準を求める声は驚くほど小さく、動きもほとんどなかった。おそらく、クラウドコンピューティングにおけるイノベーションのカーブがまだ非常に急角度であるため、本当の意味での標準を構築する暇がない。ただし常にそうであるとは限らない。米国連邦政府のCTOであるVivek Kundraは、連邦政府のクラウドに向かう動きはセキュリティなどの特定の分野のクラウド標準の出現を加速することになると予測している。

日本国内でもクラウドの標準を構築しようとする動きは様々ありましたが、本流になるようなものはなかったですね。標準になれば得になるから、我こそは標準なりと訴えるわけで、ある意味、エゴのぶつかりあいにすぎないと解釈しべきです。ある程度安定化してくれば標準化できるようになるでしょうが、その時には旬の時期は終わっていたということになるのかもしれません。

2010年当初の予測を振り返る:第一話

2011年の1ヶ月目も半ばを過ぎたところで、去年はどうだった、今年はどうなる、といった話はそろそろ終わりにしようかと思います。その最後を飾るのは、やはりお気に入りのAppirio
2010 Cloud Predictions – Year in Review“と題した記事で2010年当初の予測を振り返っていますので、それをレビューしてみましょう。
記事によれば、10項目のうち6個は当たっており、3項目はまあまあ、つまり、方向性は間違っていなかったが、予測したほどの大きな動きにならなかったとのこと。

予測No. 1: クラウド関連のデベロッパコミュニティはオープンソース関連のものより速いベースで拡大する

クラウド上にアプリケーションを構築するという一般的な方向性に絞ったコミュニティが、今日のベンダー固有のデベロッパコミュニティを補完し、既存のオンプレミス向けデベロッパコミュニティを崩壊させると予測した。この組み合わせはクラウドデベロッパという新しい時代を生み出す。

評決

まあまあ。2010年がクラウドコミュニティにとって大きな1年であったことは間違いがない。マイクロソフトはAzure関連のデベロッパコミュニティを立ち上げ、Salesforceは、JavaやRubyのデベロッパコミュニティにクラウドを持ち込むことに最大の努力を払っている。Appirioもクラウドプラットフォームをまたぐ問題を解決し、議論することに興味を持っている開発者向けにDreamforceで初のクロスクラウド・デベロップコミュニティのベータ版を立ち上げた。しかしクラウドコミュニティの拡大は、オープンソースコミュニティの拡大に伴ったものでもあり、しかもその多くはクラウドプロバイダが先導していたものだ。例えば、GoogleがAndroid、Chrome、App Engine関連のデベロップコミュニティの拡大を加速するために、いかにオープンソースを使っているかを見れば明らかだ。

[元々の予想の根拠が今ひとつ良くわかりませんが、今やクラウドとオープンソースは切っても切れない関係になっているため、相互にプラスの影響を与えながら拡大していっていると思います。この流れは簡単には止まることはないのではないかと思います。