付加機能がなくとも目標を達成できる場合がある

SalesRescueTeam.comの創設者TJ McCueが中小企業のためのクラウドコンピューティング・ガイド(Small Business Guide to Cloud Computing)として、15項目をリストアップしていますので、筆者のコメントともにそれを紹介します。ここではSaaSが中心になっています。

14. 付加機能がなくとも目標を達成できる場合がある

クラウドアプリケーションは必ずしも機能が豊富というわけではない。何故なら、ビジネスの特定の部分に焦点をあわせているためだ。
評論家の中にはパレート理論(80%の高価は20%のソリューションがもたらす)に基づき、ソフトウェアの観点から企業運営すべきとの意見もあるが、これは正しくない。ほとんどのデスクトップユーザは日々、デスクトップアプリケーションの全ての機能を使っているわけではないと言う。このことは多くのクラウドアプリケーション開発に使用されている方法だ。つまり、ほとんどのユーザが試してもみない機能は捨て、ユーザが解決したいと望んでいるコアな問題にターゲットを絞ることだ。

クラウドアプリケーションは、望む全ての機能を持っていなくとも、カスタマイズやベンダーのプレミアムサービスで利用できる場合も多い。非常にうまく設計されたクラウドシステムは、パブリックとプライベートを統合するウェブサービスという形で、様々なインタフェース機能を提供している。アプリケーションベンダーによって異なるが、望むような特別な機能はインテグレーションや設定では利用可能でない場合もある。

クラウドソフトウェアがレガシーなアプリケーションやデータソースとうまく連動できないというのは誤りだ。クラウドアプリケーションと統合する方法は2種類ある。1つはバッチ同期、つまり、初期の段階でははクラウドアプリケーションへのデータのエクスポートとインポートだ。初期データがロードできれば、スケジュールに基づいて差分同期を行えばよい。

もうひとつの方法は、ウェブサービスによるリアルタイムインテグレーションだ。ウェブサービスがレガシーアプリケーションがクラウドアプリケーションと通信するミドルレイヤーのようなものだ。

クラウドアプリケーションは単純なインテグレーションにのみ向いているというのは誤りだということを示したが、ニーズに対するクラウドの影響と限界について評価する必要はある。複雑なワークフローやビジネスプロセスが必要となる複合的なプロセスでは、解決できない部分依然として残る。

クラウド活用を考えるヒント:第5回

5. Innovation Is Not Flaunted — It is Assumed. (イノベーションはことさら主張するものじゃない。当然のこと)

「クラウドコンピューティングの素晴らしいところは、常にアプリケーション運用を繰り返し改善していけるところだ。ほとんどのクラウドプロバイダにとって、クライアントの利用パターンを見て、リアルタイムに改善を行うことが出来、またクライアントに「気持ちが分かってくれている」という瞬間を作りだすことができる。従来のソフトウェアではありえなかったことだ。

クラウドアプリケーションでは、マルチテナント方式かつ共有のコードを使用しているため、シームレスなアップグレードで発明的な新機能を自動的に利用することができるようになる。しかも必要なときに。もはや長期にわたり、多大なリソースとコストを必要とするアップグレードプロジェクトは不要になる。」

クライアントの利用パターンを分析できることと、それを的確に捉えてサービス内容に反映でき、反映していくこととは必ずしも一致せず、クラウドプロバイダによって変わってくるはずです。そしてそれがサービスのレベルと質の差になって表れてくるのではないでしょうか。

何にもまして、運用やアップグレードにかける労力を削減し、その結果余った人的リソースを他の目的に活用していけることが、SaaS型の大きなメリットの1つです。