2010年当初の予測を振り返る:第六話

2011年の1ヶ月目も半ばを過ぎたところで、去年はどうだった、今年はどうなる、といった話はそろそろ終わりにしようかと思います。その最後を飾るのは、やはりお気に入りのAppirio
2010 Cloud Predictions – Year in Review“と題した記事で2010年当初の予測を振り返っていますので、それをレビューしてみましょう。

予測No.6 エンタープライズ・コラボレーションは機能であってビジネスではない

SalesforceのChatterやGoogle Waveはビジネスアプリケーションと透過的に統合されたリアルタイム・コラボレーションという価値があるが、単独のエンタープライズ・コラボレーションは競合上困難になるであろうと予測。

評決

当たり。Google Waveを例にとれば、元々の形としては消えてしまったが、コラボレーション技術の先進的な部分のいくつかはGoogle Appsに取り込まれている。SalesforceのChatterプラットフォームの進化と、Chatter Freeの発表により、エンタープライズ・コラボレーションにおいて、単独ビジネスの構築がいかに困難であるかが明らかになっている。

コラボレーション・ツールというのは、便利ではあるのですが、じゃあどれくらいビジネスに貢献できるのか、その投資効果はどの程度か、と聞かれるとなかなか明確に答えられないものであるため、単独のビジネスは難しいのでしょう。

恐れを知らない技術予想トップ10:No.8

InternetNews.comにDavid Needle氏が「恐れを知らない2011年技術予想トップ10 」を寄稿していますので、それを紹介しましょう。

No.8 ダッシュボードの年

2011年の予測として、コラボレーション・ソリューションの浸透は、ベンダーが期待するよりもゆったりとしたスピードになると見ている。何故なら、潜在顧客にROI(Return on Investment:投下資本利益率)を示すのに苦労するからだ。コラボレーション技術を最大限に活用できる企業は導入済みで、その次の層の企業では、IT部門の人は、コラボレーションを全てビジネス上の価値と結びつけ、いかに売上拡大とコスト削減に貢献できるかと結びつけなければならなくなる。コンサルティング会社や新薬を開発する薬品業界のようにコラボレーションが本当に役に立つ業界であれば問題ない。
ダッシュボードの年になるであろう。CisoのQuadやSalesforce、むろんマイクロソフトやその他にもダッシュボードがある。今年末には、企業向けソフトウェアベンダーで、かつダッシュボードを組み込む意味があるところは、組み込んでくるであろう。疑問に思っていることは、単一のダッシュボードでよいのか、それとも、役割によってカスタマイズが必要なのかという点だ。また、現在は、全てのベンダーがオープンなAPIとしている点は評価できるが、競合が激しくなり、これらのベンダーが独占的ダッシュボード・プロバイダーになろうとすれば、醜い状態になるのではないだろうか。
コラボレーションの分野では興味深い1年になるだろう。モバイルデバイスにより、コラボレーション・ソリューションも、いつでもどこでもの方向に進まざるを得ないが、タブレットの場合、IT部門の人間が取り組まねばならない、深刻な管理上の課題が存在する。

コラボレーション・ツールについて、投資効果を明確にできるかどうかは大いに疑問です。投資効果を明確にできないものに投資できるかというと、大企業であれ中小企業であれ、基本的には相当困難です。と考えるとコラボレーション・ツールが思ったより浸透しないかもしれないという予想は当たっているかもしれません。代わりにダッシュボードが席巻するかどうかは少々疑問です。おそらくダッシュボード上に表示されるべき指標は役割によっても、企業によっても異なるため、カスタマイズが相当必要になる可能性があるためです。

2011年中小企業向け技術予想トップ10:第10話

IT Analysisというサイトで、SMB Groupが行った2011年中小企業向け技術予想トップ10が紹介されています。この予想を検証してみたいと思います。このシリーズの最終話です。

No 10. 統合コミュニケーション/コラボレーション・スイートが集約されていく

2010年はまさにコラボレーションツール間のバトルになり、多くのベンダーが、情報の検索・共有、知識共有の拡張と強化や、Eメールやポイントソリューション以上に人々の結びつきを容易にする統合ソリューションを市場投入した。コラボレーションは唯一全ての従業員が日々関わる業務アクティビティであるため、IBM、Cisco、Google、マイクロソフトなど大規模なベンダーはもちろん、HyperOfficeからZohoまで小規模なベンダーも、市場での地位を拡大する努力と機能追加を続けている。
さらにベンダーは、自身の統合コラボレーションとコラボレーションの製品群の穴を埋めるために、CiscoはTandbergを買収し、GoogleはGoogle Vocieを投入し、VoIPとソフトフォンの機能を追加、HyperOfficeやIBMのLotusLiveはSkypeを取り込み、全てのベンダーがソーシャルネットワーキング機能を統合している。これらの障害が解決し、インテグレーションがスムーズになると、これらの集約されたサービスが中小企業の生産性の向上とコスト削減に役立つ。

今後この分野はより一層競争が激化していくものと予想します。

Merry Christmas and Happy Holiday!