セールスフォース・ドットコム、Radian6買収へ

今年の注目分野のひとつとして、ソーシャルCRMがあります。これは「2011年中小企業向け技術予想トップ10:第2話」でも触れたものです。つまり、ツィッターやフェイスブックのようなソーシャルメディアとCRMが合体したものです。
そんな中、セールスフォース・ドットコムがソーシャルメディアのモニタリングツールを提供するRadian6を買収することを先日発表しました。これはセールスフォース・ドットコムが上記の流れに沿った、というよりも、セールスフォース・ドットコムのCRM分野におけるプレゼンスを考えると、大きなうねりになるかもしれません。

ソーシャルメディア上で自社に関するフィードバックや顧客の動向など、有用な情報が流れているように思えても、その情報を効率よく整理し、ビジネスに活用するのは容易ではありませんでした。
Radian6はまさにそれに対するソリューションを提供している会社です。

AppirioのEryc Branhamによれば、
「買収自体については非常に多くのメディアがカバーしているが、私がこの動きに非常にエキサイトしている理由は、セールスフォース・ドットコムがソーシャルCRMの価値を立証していることだ。すなわちCRMとソーシャルネットワークの結婚であり、企業と顧客の関係を全く新しいレベルに引き上げてくれるものだ。
顧客がいるところへ行くということは、顧客との関係と社会に対する洞察が増加するについれ、スケールアップできる高度に弾力的でスケーラブルなアプローチを持つことを意味する。加えて、Twitter、Linkedln、Facebookが急速に変化し、Quora、Focus、話題になるブログが新しいネットワークとして出現してくるダイナミックな世界だ。使っているソリューションはこのイノベーションのスピードにマッチしなければならない。祖ーしゃんるCRMはクラウドに特化しイノベーションのスピードに依存している。従って、クラウドのパイオニアの1つであるセールフォース・ドットコムがこのことを認識し、自身のコアCRMの経験をソーシャルCRMに活かそうとRadian6に投資することを決めたことにさほど驚きはしない。
セールスフォース・ドットコムがChatter製品にフォーカスするとともに、このことは、企業がソーシャルCRMの実験的フェーズを卒業し、企業全体への幅広い適用へ進んでいく予兆だ。」

セールスフォース・ドットコムにとってRadian6の買収は戦略的に重要であることは間違いないと思います。

2011年予測11項目に対するAppirioの査定:第三話

2011年予測11項目に対するAppirioの査定」は、指導的な立場にあるIT業界のアナリストや業界のリーダーが出している2011年のクラウドコンピューティングに関する30種類の予測をGoogle Moderator(ネット上で投票できる仕組み)に登録し、Appirioのメンバーにその予測に賛成、反対を投票してもらったというものです。

予測No.3(賛成77%、反対23%):企業は「クラウドはとは?何故重要なのか」といった類の質問から「どこでどうやってクラウドに投資できるのか」といった質問に移っていることから、クラウドコンピューティング市場はアナリスト会社が予測するよりも速いペースで成長する

(Source: THINKStrategies)

Appirioのコメント:クラウドに関する会話の方向性や内容が変わってきたことは間違いない。この予測はそのシフトを物語ったものだ。クラウドは子供たちのテーブルから成人のテーブルに移ったため、経営陣は会話に持ち込む機会を積極的にうかがっている。これは特にクラウドアプリケーション採用の道を進み始めた我々の顧客のような企業で言えることだ。我々は1つ以上のクラウドアプリケーションを採用した中堅企業150社を調査し、このグループはこれから3年間にクラウドの採用を倍増以上にする計画をもっていることが判明した。

日本国内でも、クラウドは何かというようなことが議論になる時期は終わったようです。

マイクロソフト対グーグル:現場から見た真実

ComputerWorldに、マイクロソフト・オンラインサービスのシニアディレクターTom Rizzo氏のインタビュー記事が載っており、Googleについてコメントしています。これに対し、Appirio社のブログで編集室(Cutting Room Floor)から見た真実と題した記事をGoogle Appsを企業に展開すると言う観点から掲載しています。ここではそのAppiro社の記事を紹介します。

グーグルの意図に関する誤解させる発言

グーグルのストリートビュー、広告に支えられたEメールサービス(これは企業向けとは異なるもの)、中身のないサービス規約に関するRizzo氏のコメントは完全に誤謬に導くものだ。我々がGoogleへの切り替えを進めてきた企業はいずれもこのようなものに影響を受けていない。”Gone Google(グーグルに切り替えた)”企業はGoogle Appsは元の社内システムよりも信頼性、セキュリティに優れている。アプリケーションに関するグーグルの革新を起こすスピードは、企業向けに投資し真剣であることの証と言える。

マイクロソフトのポジションに関する誤解させる発言

マイクロソフトは今後も企業向けについて独占的なシェアを持ち続けるであろう。何年にもわたって地位を築き、企業を囲いこむために製品を無償提供することも含めて、ありとあらゆる出来ることを行っている。とは言え、マイクロソフトは、さらに競合力があるソリューションを広く提供していく必要がある。Office365のリリースは来年だ。企業の適用状況を計る主要指標を見れば、中小企業は最近Exchange Serverを購入しているかどうか。グーグルのスタートアップ企業や、教育分野におけるマーケットシェアは、さらに広いITマーケットにおける動向を示している。

プライベートやハイブリッドは企業にとっての答えか

筆者が今最も気に入っている会社はAppirioという米国のクラウドソリューションプロバイダです。尖がった考え方を高く評価しています。そのAppirioのブログに「CIO向けガイド:クラウドコンピューティングとオンデマンド」というのがあり、これをネタにクラウド活用を考えてみたいと思います。

その4つ目は、プライベートやハイブリッドは企業にとっての答えか
プライベートクラウドは、ちょっと気取った名前をつけたデータセンターに過ぎない。もちろん、データセンターでは、最適化や仮想化などを検討しているはずだが、パブリッククラウドで検討しているレベルに達していない。

大事な点は、データセンタービジネスからどのように離れるかだ。

プライベートクラウドの推進者は、データセンターに何かを販売しているか、運用している会社だ。パブリッククラウドが共有インフラを推進することは自身の利益に反するのだ。IBMのグローバルサービス担当がアマゾン、グーグル、セールスフォースを利用した開発を顧客に薦めているところを想像してみてほしい。仲間がハードウェアやソフトウェアを販売するのを邪魔するだけでなく、プロフェショナルサービスを提供することも邪魔することになる。何故ならオンデマンドプラットフォームでは、インテグレーシャンやアプリケーションの開発は非常に容易だからだ。

大量トランザクションのアプリケーションがクラウドに適しているのか

筆者が今最も気に入っている会社はAppirioという米国のクラウドソリューションプロバイダです。尖がった考え方を高く評価しています。そのAppirioのブログに「CIO向けガイド:クラウドコンピューティングとオンデマンド」というのがあり、これをネタにクラウド活用を考えてみたいと思います。

最後のポイントは、大量トランザクションのアプリケーションがクラウドに適しているのか

「アーキテクチャを注意深く行えば、クラウドは大量トランザクションのアプリケーションに向いている。例えば、

  • Salesforceを使用し、1500万人の日本郵政グループの顧客管理
  • Force.comとGoogle Appsを使用し、日本の公的機関におけるワークフローから生成される1日1億通のメールを処理
  • Force.comを使用し、スターバックスがオバマ就任日のボランティア50万人のマッチングを支援
  • 5000人規模のコンサルテーション会社において、地域別、活動別、グループ別の売上、使用率をリアルタイムに処理するためのタイムカードシステム」

この他にもゲノム解析なdの技術計算の分野でクラウドは活用されています。

セキュリティ:クラウドベンダーの対応は十分か

筆者が今最も気に入っている会社はAppirioという米国のクラウドソリューションプロバイダです。尖がった考え方を高く評価しています。そのAppirioのブログに「CIO向けガイド:クラウドコンピューティングとオンデマンド」というのがあり、これをネタにクラウド活用を考えてみたいと思います。

その6つ目は、セキュリティ:クラウドベンダーの対応は十分か。

「企業によっては、時として、社内システムでは要求したことがないようなことを、クラウドベンダーに要求している。ディスクドライブが壊れたとしても、それによって失った取引をハードディスクベンダーに補償しろとは言わない。しかしAmazon S3では、まさにそのようなことを要求したCIOがいたと聞いている。

これまでも技術に「保険」がついてきたことはない。ベンダーは暗号化やバックアップなど、データ損失への対策を実施するよう注意喚起しており、必要とあらば自身で保険に入ることになる。クラウドは、自分のコントロール範囲外のところにデータを預けることになるため、社内システム以上のリスクが存在し、保険が必要なように思えるかもしれない。大手のクラウドベンダーはセキュリティ対策に大金をつぎ込んでおり、社内システムより高セキュリティであるとする見方が強まっている。

保険が付いていないからといって、ソリューションになりえない、ということはない。(社内システムでも保険は付いていないのだから)」

壊れれば直す、という範囲の保険は存在しますが、壊れたことによるビジネス上への損失に対する保険は、ベンダーから提供されることはまずありません。

その補償付きの保険がバンドルされたクラウドサービスがでてくるでしょうか?現時点ではなんとも言えませんが、考慮するに値する料金にならないような気がします。

Amazonでは、「怪しい」アクセスパターンを自動検知し、シャットアウトする機能を実装しているなど、大手のクラウドベンダーは様々なセキュリティ対策を講じています。一般的な中小企業のセキュリティ対策から考えれば、大手のクラウドベンダーの方がしっかりしたセキュリティ対策を実施しているように思います。

クラウドベンダーの整理統合はあるのか

筆者が今最も気に入っている会社はAppirioという米国のクラウドソリューションプロバイダです。尖がった考え方を高く評価しています。そのAppirioのブログに「CIO向けガイド:クラウドコンピューティングとオンデマンド」というのがあり、これをネタにクラウド活用を考えてみたいと思います。

その3つ目は、クラウドベンダーの整理統合はあるのか。

「インテグレータとして、パッケージアプリケーションとカスタムアプリケーションがごく少数のクラウドプラットフォーム上で急増すると見ている。スタンドアロン型のSaaSを構築するのは大変。今後激減していくものと思う」

Appirioはスタンドアロン型のSaaSと呼んでいますが、日本ではASPの方が一般的でしょうか。自前でセンターを持ち、ハードウェア、ネットワーク、OS、ミドルウェアを維持しながら、アプリケーションの様々な機能を開発し続けなければなりません。その一方、それに要した投資を回収するのは月額料金しかないため、もともと苦しいビジネスモデルです。さらに競争が激化すれば、ビジネスの継続が困難になってくるのは目に見えています。

PaaS対SaaS:どちらがクラウドの将来モデルか

筆者が今最も気に入っている会社はAppirioという米国のクラウドソリューションプロバイダです。尖がった考え方を高く評価しています。そのAppirioのブログに「CIO向けガイド:クラウドコンピューティングとオンデマンド」というのがあり、これをネタにクラウド活用を考えてみたいと思います。

その2つ目は、PaaS対SaaS:どちらがクラウドの将来モデルか。

PaaSはスタンドアロン型SaaSに破壊的打撃を与える。Appirioは、プロフェッショナルサービス会社向けソリューションを構築し、10年間SaaSを構築してきたベンダーから顧客を奪い取っている。何故なら特定顧客のニーズに特化しているからだ。

PaaSなら、他のクラウドと連携したソリューションを構築することが可能など、柔軟性が高いのが特徴です。守備範囲を広げていくにはPaaSが不可欠です。

企業内でSaaSが本流になるために必要なもの

筆者が今最も気に入っている会社はAppirioという米国のクラウドソリューションプロバイダです。尖がった考え方を高く評価しています。そのAppirioのブログに「CIO向けガイド:クラウドコンピューティングとオンデマンド」というのがあり、これをネタにクラウド活用を考えてみたいと思います。

その1つ目は、企業内でSaaSが本流になるために必要なもの。

この記事によれば、SaaSは多くの企業で適用が進んでおり、一部カスタムアプリケーションがForce.com等のPaaS上で稼動し、一時的あるいはテスト用のインフラとしてIaaSが利用されているのが現状。

さらに、少しSaaSを取り込むと、他に何か活用できないかと考え、より多くのカスタムアプリケーションがクラウドに移行しようとする。すでにそのような動きが出てきているのも今日の話。

全て完全にクラウドに移行するのが最終目標ですが、その前に必要なものが3点。

1点目は戦略とロードマップ。Appirioはよくビジネスケース主導と言っています。

2点目はクラウド間をつなぎ拡張するソリューション。

3点目は新しいタイプのパートナー。従来のパートナーは、クラウドに移行することにより失うものが多く、またコアスキルが全く異なるため、新しいパートナーが必要。

とのこと。

何にもまして、常に戦略ありきでなければいけません。

我々はこの新しいタイプのパートナーになりたいと思っており、またなれるよう日々精進していきたいと思っています。

プライベートクラウドはパブリッククラウドへの第一歩か?

クラウドソリューションを提供する米Appirio社が興味深い記事を同社のブログに掲載していますので、その要約をご紹介したいと思います。

Appirio社はプライベートクラウドではクラウドのメリットを十分に活用することができないと否定的で、パブリッククラウドを強力にプッシュしています。

何故プライベートクラウドでは駄目なのかはこれまで様々な形で解説していますが、今回の記事では、「プライベートクラウドはパブリッククラウドへの第一歩」であるとする主張に挑戦しています。実際、プライベートクラウドを推す人々は、プライベートクラウドのメリットの1つとして、将来パブリッククラウドへつながる、と主張しています。

この主張のおおもとは2009年の調査会社ガートナー社の報告がベースになっているようですが、この報告書のタイトル自体は、プライベートクラウドがパブリッククラウドへの第一歩というタイトルでした。内容はプライベートクラウドは、まだパブリッククラウドでは提供されていない、あるいは、まだ構築できないサービスに関し、「中継ぎ」としてプライベートクラウド活用もある、ということでしたが、注釈的な部分が割愛され、タイトルのみが一人歩きし、都合のいいように使われているようです。

パブリッククラウド自体はメリットがないわけではありませんが、コスト構造ややるべきことは従来と変わっておらず、IT部門は既存システムと同様の構造的問題の多くを引きずることになる点が大きな問題です。

プライベートクラウドを適用していくには、IT部門所管のアプリケーションを仮想化されたプラットフォーム上に移行し、次に業務アプリケーションを移行、最後にITをサービスとして提供する、というステップを経ていくことになります。最終的に、従来に比べてITの効率は飛躍的に向上することは疑いありません。ただし、現状のITがやるべきことと根本的に違いはありません。かえって仮想化したことによって、システムがより複雑になってしまいます。

今日のITは複雑に絡み合ったアプリケーションなどのソフトウェアを維持保守するために多大な費用を要しています。

ではこの状態でパブリッククラウドへの移行準備が進んだことになるのかというと、全く進んでいません。アマゾンEC2などのIaaSに移行すること自体はより容易になっていますが、SaaS、PaaSを活用しない限り、維持保守に多大なコストをかけているという構図は全く変わっていません。

(Appirio社はおそらく主として米国企業を念頭においてコメントしていると思われますが、日本の各企業は総じて、米国よりも維持保守に多額のコストをかけています。このためパブリッククラウドへ移行するメリットはより大きいと思われます)